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【關ケ原の戰と宇土落城】(四)

【けさの日乃出 7:27頃 雲があり若干遅れる。】
日之出2
【關ケ原の戰と宇土落城】(四)を記したいと思います。次回で完了致します。

こんな苦戰を續(ツヅ)けた九月十五日、關ケ原に於ける西軍大敗の報は城内に傳(ツタ)へられ、殊(コト)に城主行長(小西)の三條河原に於ける悲惨な最後が傳へられると、哀傷(アイショウ)慟哭(ドウコク)の聲(コエ)、上下に充ちて籠城(ロウジョウ)戰士の意氣(イキ)も頓(トミ、トニ)に沮喪(ソソウ)してしまった。そこで城代長元(ナガモト)は遂に意を決して軍使(グンシ)を清正の幕營(バクエイ)に送り、干戈(カンカ、たて、ほこ)を収めて城を開くから、其の代りにどうか城中の士民(シミン)を悉(コトゴト)く宥怒(ユウジョ)して貰(モラ)ひたいといふ事を申し込んだ。
清正も弓矢(キュウシ)執る武士の習(ナラ)ひ、この長元の悲痛なる義氣(ギキ)と決心とに非常に感激し、心よくその申込みを受け入れた。忽(タチマ)ちに一團(イチダン)の酒肴(サケサカナ)は清正の陣營から城門の前に運ばれた。清正が
『永々の御籠城、誠に御苦労に存ずる。粗酒(ソシュ)野肴なれど聊(イササカ)の御慰勞(ゴイロウ)のしるし、どうか城内一統の方々と一献(イッコン)御酌(ク)み下されたい』
と述べると、長元は
『御厚志(ゴコウシ)の程、重疊(チョウジョウ)有難く存ずる。折角の御配慮、謹んで頂戴致し、部下の將士(ショウシ)と共に、最後の別杯(ベッパイ)を酌(ク)み交(カワ)わす御座りませう』と挨拶してやがて城内に訣別の宴(ウタゲ)を張った。    (つづく)
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【關ケ原の戰と宇土落城】(三)

【「蒙古襲来絵詞と竹崎季長展」に於いて、自分だけの蒙古襲来絵詞を作ろう!小・中学生を対象にワ-クショップがありました。所謂、ぬり絵です。】
蒙古襲来1
【關ケ原の戰と宇土落城】(三)を記したいと存じます。

城將小西長元(ナガモト)は、清正の攻撃に會(カイ)して小西飛騨・南條元宅(モトタク?)等の諸將と共に諸軍を督(トク)して防戰に努め、特に、その支城たる八代麦島(ムギシマ)の城代小西行重(ユキシゲ)と呼應(コオウ)して、盛んに攻城軍(コウジョウグン)を苦しめたので、流石(サスガ)の隈本勢も暫(シバ)し攻めあぐんで見えた。彼(カ)の剛勇(ゴウユウ)無雙(ムソウ)の南條元宅が、加藤方の猛將三宅左衛門と、互に長槍(ナガヤリ)を揮(フル)って、火花を散らしつゝ相戰(アイタタカ)ったのは、即ちこの時の事である。
當時、南條伯耆守(ホウキノカミ)元宅は、故(ユエ)あって小西家に身を托(タク)して居り、三宅角左衛門も、或る事情があって、清正の勘當(カンドウ)を蒙(コウム)り、飯田覺兵衛を賴(タヨ)って、宇土城攻撃に參加して居たのであった。角左衛門が、塩田口方面から一人まつ先に進んで居ると、向に敵の大將南條元宅が、從者を一人連れて、出張(デバ)って居るのが見えるので
『それの在るゝは、承り及んだ南條殿と見受ける。三宅角左衛門と申す者で御座る。一槍手合せを致したい』
と名乗って、大身(オオミ)の槍を、りう/\としてきつゝ突き進んだ。南條も
『心得たり』
と馳(ハ)せ向ひ、握り太なる二間柄の大身の槍を振ひつ、猛然として相闘(アイタタカ)ふ。何しろ、大力無雙(ムソウ)の元宅主從である。流石(サスガ)の角兵衛も、見る/\内に攻立てられて、たうとう叩(タタ)き落とされる。
『こは口惜し』とあせる所に、折(オリ)よく飯田覺兵衛が、一人の從者と共に、駈(カ)けつけて來て、元宅に立ち向うたので、角左衛門もそれに力を得て、再び槍を取り直し、三人づれで南條主從を難なく城内へ突き退けたのであった。  (つづく)

【關ケ原の戰と宇土落城】(二)

【けさ7:39頃の阿蘇の山々の空模様 小雨】
阿蘇山1
【關ケ原の戰と宇土落城】(二)を記したいと存じます。

武力が正義の戦國あがりの世の中では、またどういふ變動(ヘンドウ)が大局の上に出現しないとも限らん。とにかく德川を倒すこと、あゝいふ邪魔物は、この機を利用して、早く倒して置くに限る。斯(コ)ういふ氣分の有力な大將なども無かったとは限らぬ。どうせ世間は、強い者が勝である。立ち寄らば大樹(タイジュ)の陰、生きんがためには、大義の名分(メイグン)の恩顧(オンコ)のと云うては居られない。斯(コ)ういふ露骨な功利(コウリ)主義から、各々その好む所に向った大小名も有ったらう。或は親族・交友・主從の縁に引かれて、心ならずも、大阪方や關東方に從ったものであらう。とにかく斯(コ)うした混沌(コントン)たる天下の形勢の間に在(ア)って、わが肥後の隈本城主加藤清正は、東軍に加擔(カタン)し、宇土城主小西行長は西軍に属し各々その志を異(コト)にして居たのであった。
當時、小西行長は大阪城内に在って石田三成等の密計(ミッケイ)に参畫(サンカク)し、宇土にはその弟小西隼人長元(ナガモト)が城代として、これを守り、その下に小西飛騨、南條元宅などの諸豪があって、遙かに薩州の島津義久と聲息(セイソク)を通じつゝ、時機の到るのを待って居た。ところが加藤清正は、當時、家康と志を通じて肥後に居り、筑前の黑田孝髙(入道如水、ジョスイ)と共に、ひそかに天下の形勢に就いて考慮をめぐらしつゝあったが、さきの豊後の國主大友義統(ヨシムネ、義鎮即ち宗麟の子)は、甞(カッ)て文禄の役(1592)に節度も奉(ホウ)ぜずして國除せられ長門に居たが、其の國を復する好機到來(コウキトウライ)せりとなし、兵を集めて石田三成と相呼應(アイコオウ)し、同國枝築(キヅキ)に在(ア)る細川忠興の領邑(リョウユウ)を襲ふと聞き、兵を率(ヒキ)ゐて其の救援に赴(オモム)いたが、黒田孝高(ヨシタカ)が、既に城代松井康之、有吉立行を援(タス)けて、義統(ヨシムネ)を降伏せしめてといふ報知(ホウチ)に接したので、豊後の引地といふ所から、忽(タチマ)ち軍を返して隈本へも立ち寄らず、一路直ちに宇土城へと、殺到したのであった。   (つづく)

【關ケ原の戰と宇土落城】(一)

空模様2
【關ケ原の戰と宇土落城】(一)を記したいと存じます。

慶長五(1600)年九月、濃州(ノウシュウ、美濃國)關ケ原に於て行はれた所謂(イワユル)『天下分け目』の大戰闘に際しては、日本全國の大小名、何れも去就(キョシュウ)に迷った。名分(メイブン)の上から云へば、大阪方に與(クミ)して豊臣家の社稷(シャショク)を保全して行く事が、勿論理想の筋道であるけれども、今度の石田一味の計畫(ケイカク)は頗(スコブ)る無謀(ムボウ)の企てであるのみならず、何といっても豊太閤(ホウタイコウ)他界後の大阪城の影は、餘程(ヨホド)薄くなって居る。殊(コト)に老巧怜悧(ロウコウレイリ)な德川家康が、威武(イブ)と恩德(オントク)とを以て、多年手なづけて來た優勢な大小名が、可(カ)なり全國に蔓延(マンエン)して居る。たとへ德川氏に多少の野心が有ると見えても、今は無暗(ムヤミ)に手を出すべき時でない。
かういふ考へで、豊臣恩顧(オンコ)の大將達の中にも、東軍に属したものが少なくない。イヤ德川の野心は末恐(スエオソ)ろしいものが有る。今に於て、これを芟徐(サンジョ)しなければ、豊臣氏の天下は、必ずや老狸爺(タヌキジジイ)のために奪ひ去られるに違ひない。德川などの節度に服從するのは、斷(ダン)じていやだ。かういふ心から、奮然(フンゼン)、干戈(カンカ、たて、ほこ)を提げて、大阪城下に馳せ參じた大小名も、少くない。なに、天下は誰の手に落ちても構(カマ)はんが、何しろ德川などの有力な大將軍が、のさばり出しては今後の面白い芝居も打てない。       (つづく)

【古今傳授と細川幽齋の逸話】(完)

【3季目のシクラメンが咲き出しました。】
シクラメン1
【古今傳授と細川幽齋の逸話】本日を持ちまして完了いたします。

又或る時のこと、豊臣秀吉が紹巴(ジョウハ)に向って
『余(ヨ)が發句(ホック)するから、汝(ナンジ)は脇句(ワキク)せよ』と云って
   奥山に紅葉ふみわけなく螢
とやった。紹巴は、すぐ
   しかとも見えぬ光なりけり
と附け『螢は鳴く蟲(ムシ)ではございませぬ』と答へた。秀吉は
『なあに螢は聲(コエ)はなくても余が鳴かせようとすれば鳴かせずには置かない』
と云った。その時傍(カタワラ)らにあった細川幽齋は
『「武蔵野やしのをつかねてふる雨に螢より外(ホカ)なく蟲(ムシ)もなし」と詠んだ歌がございます。』といったら、秀吉は手を打って悦(ヨロコ)んだといふ。だが此の歌は螢がなくといふのではなく、雨降る夜は虫が鳴止んで光の見ゆる螢より外(ホカ)に虫がないといふ意である。
又或時太閤から兩人に
   立つもたゝれず居るも居られず
といふ句を出し、『この句に好(イ)い上の句があるか』と問(ト)はれた。すると紹巴(ジョウハ)は直ちに
   足のうら爪の尖(トガリ)りに物出来て
と詠んだ。太閤は更に『幽齋は如何(ドウ)か』と迫られたので、幽齋は徐(オモム)ろに口を開き、『紹巴の句は理屈ばって風雅(フウガ)でない』
    羽ぬけ鳥弦(ツラ)なる弓におどろきて
と附けましたが宜しうございませうと答へた。太閤は『然(シカ))らば更に一句を出さう』とて
    丸う四角に長う短う
と出された。紹邑は、
    丸盆に豆腐を入れて行くちんば
と附けた。そこで太閤はまた『幽齋如何(イカ)に』と促すと、『これも風雅ではございません』『然(シカ)らば好(イ)い句を附けてみよ』とあったので、
    筒井(つゝゐ)づつ月つりあげる箱釣瓶
と附けたといふことである。

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